はじめの予定がお天気の具合で中止となり、
急遽予定変更で、『旧乾邸』の内覧会に行きました。
道から見える乾邸 北側。周辺は緑が深い。
エントランス部分で受付をして見学開始。
アメニティ2000協会の方が 丁寧に説明してくださった。
エントランス部分 高砂市の竜山石が使われているそうです。
正面に見えている扉は、普段使いの玄関。
横に少し見えているのが、もてなしの玄関。
天井部分の丸穴は、当初はトップライトになっていたのでは と説明を受ける。
網代編風のタイル張り。
ディティールが和で形が洋というのは、やはり面白い。
お客様を迎える為の玄関の扉。
はじめ、こちらから入って見学できるとは思わず、
子供が触らないように、手をぎゅっと握って、じっと説明を聞いていた。
『どうぞ』と 解説してくださる方の説明を受けながら 中に入ると、
扉を ゆっくりと閉めて見せてくださり・・・ 説明の合間にパシャリ。
外の景色が、北側庭になり緑が光を反射して、
うっすらと暗い 玄関ホール内とのコントラストが 本当に美しかった。
扉の繊細なディティルと相まって 閉じられた瞬間 一瞬 息をのんだ。
この景色が 一番印象に残っている。
光ふる、ゲストルーム。 おもてなし用のホール。
(このシャンデリアは当時のものではないらしい。)
階段上部からの見下ろし。
ホール内の目線高さでは、窓ガラスは透明で 庭を見せるようになっており、
上部は ステンドグラスでやわらかな光に。
ホール内の階段。材はチーク。
階段を上がると 主の部屋があり 部屋には来客の様子が伺える小窓がある。
階段は 一種の舞台装置の役割。
(見学時には、ここも上がらせてもらえた。)
ホール横のダイニングルーム。
窓側の景色を映し込むように 設えられた鏡。
庭の緑がうつり込む。
庭を見せる時のテーブル配置は 確かに悩ましい。
外塀のタイル。
家族や使用人の為の玄関に 張られているタイル。
今では、外に出ても 靴さえあまり汚れないので、
玄関の壁にタイルを張るディティールは減ってしまった。
実際に ここに暮しがあった事が貴重。
生活ゾーンのディティールは 当時の生活が垣間見えるのが面白い。
2階で南向きの配置でつくられたお風呂の床のタイル。
当時は、窓から海が見えたそうです。
しかも暖房完備。
2階は プライベート空間。
どことなく 暮しの息づかいも感じられる。
2階の夫人衣装部屋から見えた蔵の写真。
この蔵の南側には、震災までは 和館が建っていたそうです。
帰り道。 緑のアーチ。
狭い道幅。緑這う塀。庭の緑。
建物までの奥行き。垣間見える洋館の姿。
水路を流れる水のせせらぎ。心地よい静けさ。
この『旧乾邸』が保存される事で、
同時に保存されているものの価値とは
何だろう・・・・。
そんな事を考えながら、ゆっくりと乾邸をあとにしました。
『旧乾邸』
所在地:神戸市東灘区住吉山手
建築主:乾汽船社長 乾新兵衛
設 計:渡邊 節
施 工:竹中工務店
今後の内覧会の予定など詳細は アメニティ2000協会 HPでご確認ください。
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2007.09.23