写真の「木桶と水刷毛」は
完成間近の現場で美装の作業してくれていた
洗い屋さん(美装屋さん)が使用していたもの。
程よく適度な水量を 毛先に保つことができる水ばけを
自らが試行錯誤し、作成して使用しているらしい。
「この水刷毛は ○○米の穂を束ねて、毛先が柔らかくなるまで叩いて
適度な弾力がでるまで調整するんや」
○○米とは、様々な穂を試したところ、
しなり具合とか水の含み具合を程よく満たす 一つの穂に行き着いたとか・・・。
「市販の刷毛や プラスチックバケツでは いい洗いの仕事はできん!」
水刷毛を桶の縁で水切りする時に、ある程度の縁の固さが必要で、
その為に この木桶を使っているらしい。
作業の合間に声をかけると
説明を交えながら、自作の仕事道具を見せてくれた。
職人さんと呼ばれる人は、
どの職種の人も 多少の自作の道具を所有している。
自分専用のオリジナルの道具。
使い込まれ 趣きさえある道具、
他人には理解できないような意味やこだわりが そこにある。
自身の分身のような道具。
形を作るプロセスの中には、
たくさんの見えない『こだわり』が つまっている。
たかが道具 されど・・・
2007.11.08