めっとりとした皮のような ゆるい波。
波の音よりも ひゅうひゅう耳元の風音や
橋をわたる 車の ざーざーという音が気になる。
子供の歓声。釣り人。風に運ばれて 船の音。
白髪の一人のおじいさんが じっと 座って
そんな海を 眺めている。
歩いて来たんだろうか?
きっと 子供の頃に見た海とは 全く違う景色なんだろうな・・・・。
自分が このおじいさんと同じくらいの年になった時
この海岸は どんなだろう・・・・。
海面が上昇して、この人工的な 海の際は
すかっり海中なんだろうか。
やがて 遺跡のように海藻などに覆われて・・・跡形もなく。
ぼんやり考えていると。
『あっ なんで!』と子供の声。
誰かが落としたチョコレートを見付け、
「もしかして 食べれるんじゃないか」という淡い思いと葛藤していた。
この海は
2007.10.26